オベリックス・ビアンコ 2020 / イル・ロッコロ・ディ・モンティチェッリ
イタリア最大、世界的にも最大級のワイン展示会として知られるヴィニタリー (Vinitaly) の開催地である州都ヴェローナ。そこから東に16kmに位置する人口8,500人ばかりの小さな町、ラヴァーニョ。この町の古い畑でブドウを栽培、ワイン造りをしているのがシルヴィアテッツァ、“イル ロッコロ ・ディ・モンティチェッリ”の若きオーナーです。 もともと自然や植物が好きだったシルヴィアは、自然との触れ合いや地域の特性や生物多様性を守りながら人間の活動を融合していく仕事として農業を学びたい、と考えていました。その想いを胸にパドヴァ大学で農学を専攻しましたが、学んでいくうちに自己矛盾を感じ始め ます。なぜならば大学で教わることは集約的で資源を浪費する現代農 業である反面、彼女が求めていたのは、環境を破壊することなく豊か にし、調和させる健全な農業だったからです。幸いなことに、彼女の叔父であるマウリツィオ (レストラン経営者)のおかげで、自分が思い描いてい た農業が可能であること、そういう働き方をする人々がいることを知ります。「もし自分が畑を持つことができたら、彼らのように生物多様性、地域の特色の強化、多様化に取り組ん でみたい」と考え始めました。その第一歩となったのが、シルヴィアが学生だった20歳の時、マウリッツィオと一緒にワインを造り始めた事でした。しかしこの時点では自宅で消費のワイン造りというレベルでしたが、2015年の秋に大学の修士課程修了と同時にイル・ロッコロ・ディ・モンティチェッリを立ち上げます。そして、2017年末ようやくワインをリリースし、デビューを飾りました。
ワイナリー名のロッコロとは野鳥を捕獲するために使われていた狩猟用の塔のこと。畑の所在地であるモンティチェッリ地区にたたずむロッコロは若いワイナリーのお目付役とも見えるしランドマーク的な存在とも言えます。イル・ロッコロの畑は現在約3.5ha。ヴェローナとソアー ヴェの間の石灰岩の丘陵地帯に位置しており、1960年代から続くブドウ畑で ガルガーネガ、トレビアーノ ディ ソアーヴェやコルヴィーナといったこの地域の土着品種を栽培しています。シルヴィアにとって幸いだったのは、この土地を家族 が所有していたことと、計画のあった土地開発が頓挫したこと。そのおかげで古いブドウの木は今も元気に実をつけてくれています。
キュヴェ名の由来は使用するアン フォラの形から“オベリックス”を連想した為。カンティーナにアンフォラが納品された時に叔父であるマウリッツィオが「オベリックスが来たぞ!」と叫んだのが命名のきっかけ。“オベリックス”と は、フランスのコミック「アステリックス」に出てくるキャラクター。(画像参照) フランスの遊園地といえば:Parc Asterixに行くべきカモよ!!ふふ | エミエミの実のブログ海抜180mに位置する約1.5haの区画で、石灰質土壌。平均樹齢50年のガルガーネガのみ使用。9月中旬に手摘みで収穫。手作業で除梗後、桶に入れた まま、ゆっくりと発酵が始まった後にマストを抜き取り、650Lのアンフォラに投入。冬から夏にかけて発酵~熟成を行ない、無濾過、亜硫酸の添加も行わず初夏に瓶詰。その後2~3ヶ月の瓶内熟成を経てリリース。濃い黄金に近いイエローの外観。熟したトロピカルフルーツ的な果実の香り。グレープフルーツの皮や濃厚なマンゴーの様な過熟したフルーツを感じます。徐々にスパイシーなニュアンスも湧き上がります。味わいは全体を包み込むような味わいで、凝縮した果実と酸をしっかりと感じながらも柔らかい質感が身体に染み込んでくるような満足感を感じられます。いわゆるアンフォラ特有の香りやフレーヴァーは殆ど感じられず、ブラインドで出されたら、分からないレベルです。ネガティヴな要素は全く感じられず、旨味をしっかりと感じられる満足度の高い1本です。
(インポーター資料より)
- ヴィンテージ
- 2021
- 生産地域
- イタリア / ヴェネト
- 生産者
- イル・ロッコロ・ディ・モンティチェッリ
- タイプ
- オレンジ
- 品種
- ガルガーネガ
- 容量
- 750ml
- 在庫数
- 0