ヴィ・ヴォン 2021 / レ・ヴィーニュ・ド・ラトリ(エリーズ・ハマン)
※こちらのワインは、お1人様2本まででお願いいたします。
エリーズは約10年間に渡り農業に関った後、2018年にエゼネ(Aizenay)というナント市から南に約一時間下った町に唯一残されたレ・ヴィーニュ・ド・ラトリの葡萄畑4haを引き継ぎました。彼女は限りなく畑を自然な状態に近づけたいという思いから、既に2012年よりビオロジック農法で作業された畑を2018年から耕起作業は部分的にのみ行い、冬には畑に羊を放牧して動物に草刈りをさせ、同時に糞から有機物を畑に運ぶなどの工夫をしています。土壌は花崗岩やシストと少しの雲母からなる、ローム土(粘土と砂の間のシルトが多い土)と砂質土が混ざり合ったテロワールで、品種はグロロー、ガメイ、カベルネフラン&ソーヴィニョン、シャルドネ、グロローグリを栽培。春から夏にかけては一般的に使われる硫黄と銅の使用を極力抑え、代わりに肥料や煎じ薬、ハーブティー又はエッセンシャルオイルなどを使い自然なバランスを生む考えのもと葡萄の木や土壌のトリートメントを行います。このように自然に大きなリスペクトを払う彼女のワインには人的介入を感じないどこか素朴な印象を受けます。醸造時も極力ワインに手を加えないところ、時には少しワイルドな味が出るものもあり、以前のグリオットを少し思い返すような生産者です。非常に残念ながら彼女は2021年ヴィンテージを最後にワイン造りを辞めてしまい、次のステップへと進む方針ですが、最後に彼女のワインを日本で紹介できる事を嬉しく思います。
仄かにオレンジがかったやや淡い赤色。ドライ苺などやや凝縮感のある赤い果実の香りに、熟した赤いプラムや小梅、赤紫蘇、ナツメグやクローブなどのスパイス、土、根菜などの香りが加わり複雑な様子が伺えます。ミディアムタッチの軽やかな飲み心地で口中へと流れ込み、充実感のある赤い果実に新鮮な赤い果実のニュアンス、小梅や赤すぐり、フランボワーズなどを想わせる張りのある酸が溶け込み、瑞々しさや引き締まった印象を感じさせます。若干揮発酸が感じられますが、果実の酸と調和しており嫌味がありません。口中に膨らむ中でクローブなどの甘苦いスパイス、梅かつおのような旨味感が重なり奥行きや深みを与え、複雑な印象が余韻に長く続きます。どこかオーヴェルニュのワインを想わせる緻密な果実と旨味、トーンの低いこなれ感を感じさせる古風な雰囲気を持つ仕上がりです。
(インポーター資料より)
- ヴィンテージ
- 2021
- 生産地域
- フランス / ロワール
- 生産者
- レ・ヴィーニュ・ド・ラトリ(エリーズ・ハマン)
- タイプ
- 赤
- 品種
- ガメイ
- 容量
- 750ml
- 在庫数
- 0